ヘアチェック前に知っておくべき髪の毛の仕組み
育毛サロンの無料ヘアチェックやWEBサービスの育毛診断を行う前に、是非学んでおきたい事があります。それは、髪の毛の構造や発毛メカニズムなど髪の毛の基本的な仕組みについて理解をしておくことです。
髪の毛は人体の一部であり、人間の体の仕組みにそって成長します。ヘアチェックというものはその人体構造に基づいて論理的に頭皮状況の良し悪しを判断するものです。
つまり、髪の毛の仕組みを理解しないままヘアチェックを受けても、結果に対応した適切な育毛対策を導く事が難しいのです。場合によっては、結果が良かったのか悪かったのかさえもわからない場合もあるでしょう。
せっかく受けるヘアチェックを有意義なものにするためにも、まずは髪の毛の基本的な仕組みについて理解しておきましょう。
髪の毛の構造
今となっては想像もできませんが、髪の毛は人間の進化の途中で頭皮が変化した器官なのです。そのため、基本的な性質や構造は実は皮膚と似ています。
しかし、髪の毛が皮膚と異なる点が2つあります。
まず1つめは知覚神経がないこと。包丁で指を切ってしまったら、当たり前ですが痛いですよね。ですが、美容院でハサミで髪を切られても痛みを感じません。そのために、日頃の不摂生やパーマ等で髪が傷んでも、そのダメージに気づくことなく放置してしまう危険性があります。
2つめは自己再生しないことです。包丁で切ってしまった指の傷は時間が経てば治癒してきますが、一度傷ついた髪の毛は自分で再生することができません。
髪の毛は自分でダメージに気づくことなく、再生もしないという非常に手間のかかる子なのです。ですので、日頃からしっかりケアしてあげることが大切ですね。
続いて髪の毛の構造についてです。髪の毛は頭皮から生えていますが、その頭皮から外側に見えている部分を「毛幹部」、頭皮に埋まっている部分を「毛根部」といいます。
毛幹部
毛幹部は日頃我々が髪の毛として認識している部分ですね。毛幹部は3層構造になっていて、外側から「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」という構成になっています。3層とも主要構成成分はタンパク質となっています。
キューティクル
最表層のキューティクルは毛髪を保護するために非常に固い層でできています。毛根全体を覆う形ではなく、魚のウロコのように一片が何枚も毛髪に張り付いているような状態です。ヤシの幹のような感じですね。
コルテックス
中間層のコルテックスは髪の毛の約90%を占める主要組織で、そのほとんどがタンパク質です。コルテックスには髪の色を決定づけるメラニン色素が含まれています。形状は細い繊維が規則正しく編み込まれたような状態で非常に強度が高いです。
メデュラ
3層の中心部分です。主要成分はタンパク質ですが、若干の糖質も含んでいます。メデュラの体組織としての働きは、実は十分に確認ができていません。しかし、メデュラの弱い男性はAGAになりやすかったり、まだ髪の毛の弱い赤ちゃんにはメデュラがなかったりするため、髪の毛の強度になんらかの関係があるだろうと言われています。
毛根部
毛根部側の末端には「毛球」という丸く膨らんだ部分があり、ここで髪の毛は生成されます。毛球は「毛包」という鞘のような組織に包まれています。
毛球の中には髪の毛のもとになる「毛母細胞」が詰まっています。髪の毛はこの毛母細胞が細胞分裂を繰り返す事によって生成されるのです。
そして毛母細胞に毛髪生成の指令を出すのが、毛球の最下部にある「毛乳頭」です。毛乳頭は頭皮周辺の毛細血管から酸素・養分を受け取り、それを毛母細胞に供給します。そして毛母細胞の細胞分裂活動をコントロールするのです。髪の毛の司令塔ともいうべき重要器官です。
毛母細胞分裂が繰り返されると生成された毛髪細胞が頭皮の外へと押し出されていき、我々が認識する“髪の毛”として生えてきます。
ヘアサイクル(毛周期)
人間の髪の毛は永久に伸び続けるわけではありません。毛根から生えた髪の毛は一定期間成長して抜けおち、また新たな髪の毛が毛根から生えてきます。この1つの毛根から発毛して脱毛するという一連の周期を「ヘアサイクル(毛周期)」といいます。
日本の成人男性の髪の毛はおよそ10万本あり、それらが1日に0.3〜0.5mmずつ伸びています。その中から1日にだいたい50〜100本程度の抜け毛が生じるのですが、それと同時に新しく生える毛髪もあるため、常時10万本の毛髪が維持できているのです。
ヘアサイクルには次の3段階があります。
1.成長期(約2〜5年)
髪の毛は毛乳頭の指示によって毛母細胞が細胞分裂を繰り返す事によって成長します。この1本の髪の毛が毛母細胞分裂によって成長を続ける期間のことを「成長期」といいます。1本の毛髪の成長期は約2〜5年の間続きます。毛髪全体の約80〜90%がこの成長期にあたります。
2.退行期(約2〜3週間)
活発だった毛母細胞の細胞分裂活動もやがて鈍くなり、伴って髪の毛の成長も止まっていきます。この髪の成長力が徐々に弱まっていく期間を「退行期」といいます。退行期は約2〜3週間続き、毛髪全体の1〜2%程度がこの状態です。
3.休止期(約3ヵ月)
退行期で成長力の弱まった毛根はやがて完全に毛母細胞分裂をストップし、新しい毛髪生成の準備に入ります。この新毛髪の準備期間を「休止期」といいます。休止期は約3ヵ月あり、その間に毛髪は毛乳頭から切り離されて自然に脱毛します。毛髪全体の約10%がこの休止期にあたり、毛根は新しい毛髪生成に必要な栄養を蓄えてから、また成長期へ移行するのです。
健康な状態にある毛根はこの3つ段階を繰り返して髪の毛を成長させています。
今生えている髪の毛のうちの1割は休止期にあたり、これらはいつ脱毛してもおかしくない状態にあります。また、1日に50〜100本は抜け毛が発生しますので、これらの髪の毛の正しい仕組みを理解していれば、抜け毛があるからといって不必要に落ち込むこともなくなります。
しかし毛根の中には、なんらかの原因によって成長期に十分に毛母細胞分裂が行えなかったり、休止期から再び成長期を迎えないものが出てくる事があります。そうなると生成される毛髪本数を脱毛本数が追い抜くことになり、ヘアサイクルバランスが崩れてハゲの症状が出てきます。ハゲを引き起こす個別の原因は「抜け毛の原因と対策を無料診断!」を読んでみてください。
ヘアチェックとは、今自分の髪の毛がどういう状況にあるのかを知る、いわば“現状把握”です。しかし、現状がわかったところで髪の毛の仕組みが理解できていなければ、論理的に適切な育毛対策も行う事ができません。
育毛サロンのヘアチェック予約をしたら、髪の毛の仕組みを勉強したうえで育毛サロンに向かう事をおすすめします。